作品目録

フラワー・フェスティバル

 

初出誌
「プチフラワー」1988年7月号~1989年7月号 403p
第1回:1988年7月号(1988.7.1) p5~44(40p) 
第2回:1988年8月号(1988.8.1) p5~44(40p) 
第3回:1988年9月号(1988.9.1) p121~160(40p)
第4回:1988年10月号(1988.10.1) p39~78(40p)
第5回:1988年11月号(1988.11.1) p151~190(40p)
第6回:1988年12月号(1988.12.1) p7~46(40p)
第7回:1989年1月号(1989.1.1) p153~184(32p)(※モノクロ)
第8回:1989年3月号(1989.3.1) p5~54(49p)(※扉裏広告)
第9回:1989年5月号(1989.5.1) p249~298(50p) 
第10回:1989年7月号(1989.7.1)p87~118(32p)(※モノクロ)
登場人物
五所みどり:バレリーナの卵。16歳の高校生。
五所薫:みどりの義兄。フローラル・バレエ・スクールの音楽教師
五所 :みどりの父親。
五所園子:薫の母親。
東蘇芳(あずま・すおう):全国バレエコンクールで優勝したバレリーナ
王子先生:みどりの通う横浜マリン・バレエの先生。
ゆかり:みどりのバレエ教室の友人
鳴海玉子:鶴見の鳴海バレエスクール主催者の娘。
ガブリエル:フローラル・バレエ・スクールの講師。
イブ・キルマー:フローラル・バレエ・スクールの講師。
サンダー・キルマー:フローラル・バレエ・スクールの生徒。イブの弟。
リュス・メリリンド:フローラル・バレエ・スクールの生徒。ジョージの息子。
レイチェル:フローラル・バレエ・スクールの生徒。
ジョージ・メリリンド:薫の父親。
あらすじ
五所みどりは母の連れ子である兄・薫にあこがれている。薫は英国人を父にもつハーフで美形。高校卒業後ロンドンに留学し、卒業後は名門バレエスクールの音楽教師をしている。みどりはバレエを習っており、兄の友人にフローラル・バレエ・スクールのサマーキャンプに誘われ、母の反対をはねのけ参加する。
ロンドンに発つ直前、父親から薫が実は自分の実の子だと告げられ、血のつながった兄弟だと言われ、ショックを受ける。ロンドンに到着し、すぐにスクールのテストを受け、なんとか合格。薫のアパートでの二人暮らしを楽しもうと思うが、イブという薫の恋人が現れる。
スクールでは新作公演「12宮フェスティバル」のスピリットに抜擢される。サンダーとリュスと3人ですべての場に出てくる大役だ。それにサンダーはもともとスピリット役だったがヨーロッパに行ってしまったレイチェルにこだわり、うまく気持ちを通わせられない。
一方、薫は父ジョージに会っていた。イブが妊娠していて、ジョージと薫のどちらの子かわからない、という複雑な状況に来る新でいた…。
コメント
バレエ・シリーズの幕開けにふさわしい、華やかですてきな作品です。シリアスだけでなく、ちょっとコメディタッチなところもあり、少女漫画好きには誰でも楽しめる作品になっていると思います。
ストーリーのほとんどはロンドンで、イギリス人も大勢でてくるし、バレエというちょっと特殊な世界で親子関係も相当複雑なのですが、この主人公の少女の普通っぽさが際立っています。親近感と安心感を与えてくれる。彼女が才能はあるのでしょうけれど、ごくごく普通の感覚で周囲の人々に接し、努力していることが共感を呼びます。これは少女漫画の王道です。
みどりは最初は典型的な日本人で、プレッシャーに弱く、コンクールでも失敗して泣いていましたが、ロンドンに行って徐々に自己主張して、自信を得、成長する姿にも共感を覚えます。気持ちが変わるのが許せない、と言っていた潔癖な少女が、気持ちが変わるのは見えてなかった新しいものが見えてくるからだと気づいた、それが彼女が大きく成長するきっかけになります。少女漫画は少女の成長記でもあるので、とてもまっすぐな良い作品だと感じます。

2010.7.16

収録書籍
フラワー・フェスティバル 第1巻

フラワー・フェスティバル 第1巻 小学館 1989.4

フラワー・フェスティバル 第2巻

フラワー・フェスティバル 第2巻 小学館 1989.7

フラワー・フェスティバル

フラワー・フェスティバル 小学館文庫 2000.8.10

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