作品目録

ペニー・レイン

ポーの一族シリーズ

初出誌
「別冊少女コミック」1975年5月号(1975.5.1) p191~230(40p)
受賞
第21回(1975年度)小学館漫画賞受賞(「ポーの一族」シリーズとして)
登場人物
エドガー
アラン
ドン:ポーツネル男爵のウィッシュの館の番をしている
ドンの娘:父親の手伝いをしている
盗賊たち
リデル
あらすじ
「ポーの一族」でメリーベルと男爵夫妻を失ったエドガーはアランを仲間に加えた。アランの目覚めをウィッシュの館で迎えようと急ぐ途中、山賊に襲われる。山賊のアジトに連れて行かれたが、エドガーはそこで山賊を襲い、棺桶に入ったアランを取り返して再びウィッシュの館を目指す。館は番小屋のドンがきれいに管理していてくれた。
アランはなかなか目覚めない。メリーベルが湿気に弱かったことを思い出し、アランの目覚めが遅いのは湿気のせいではないかと思う。ようやく晴れた朝、エドガーが目覚めると、アランは一人で館を出て行ってしまっていた。
山賊の生き残りが村に降りてきて、ドンの娘も殺された。アランは山賊に再びつかまってしまうが、目覚めた直後ののどの渇いたアランに逆にやられてしまう。アランもまた負傷してしまい、血が流れ出て止まらない。エドガーは新しい血が必要になるが、結束の堅い村人を襲うことはやめ、街道を通りかかった馬車を襲うが、そこには…
コメント
「ポーの一族」でエドガーはメリーベルらを失いますが、代わりにアランという新しいパートナーを得ます。このアランの「目覚め」までをあつかった短編で、エドガーの回想シーンが多く登場します。メリーベルを失った悲しみや、アランが目覚めないかもしれないという不安に襲われていますが、もう140年も生きていますから、そこはやはり冷静かつ行動的です。
ご存じのように「ペニー・レイン」というタイトルはBeatlesの曲名で、地名なのですが、ここでは「少しの雨」といった意味でしょうか。実際は大量の雨が描かれていて、一種の皮肉とも言うべきタイトルかと思います。雨続きで血や殺人が多く陰鬱な感じのシーンの多い作品ではありますが、最後にアランが目覚め、そして人形のようなリデルで救われます。
エドガーは何故リデルを連れて行く気になったのでしょうか?「血の量はたいしたことはないし、放っておいても餓死か凍死、運良く誰かに拾われたとしても、両親のいない貴族の娘では行く末は知れている」と書かれています。だから仲間に加えるつもりだったのか…。それは次の「リデル・森の中」でわかります。
「神話の始まり」という言葉が出てきますが、まさに新しいポーの一族の始まりでしょう。

2010.5.7

収録書籍
ポーの一族 第4巻(フラワー・コミックス4)

ポーの一族 4 フラワーコミックス 小学館 1976.1

萩尾望都作品集 第8巻 ポーの一族 3

萩尾望都作品集 8 ポーの一族 3 小学館 1978.10

ポーの一族 第2巻

ポーの一族 第2巻 小学館叢書 1988.8

ポーの一族 第1巻

ポーの一族 第1巻 小学館文庫 1998.8.10

パーフェクトセレクション2

Perfect Selection 7 ポーの一族 II 小学館 2007.11

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