作品目録

あぶないシンデレラ

あぶない丘の家シリーズ

初出誌
「ASUKA増刊ファンタジーDX」1992年冬の号(1992.12.20) p309~370(扉裏広告)(61p)
登場人物
平羅坂真比古(ヒラサカ・マヒコ):高校1年生。
平羅坂安曇(ヒラサカ・アズミ):予備校生。マヒコの兄だが、本当は宇宙人。
不動律子(リーコ):マヒコのクラスメートで坂の下の古道具屋の娘。
不動靜香:リーコの姉。
クワバラ:マヒコのクラスメート。文化祭の劇の演出をする。
高田のおばあちゃん:マヒコの隣の家に住むおばあさん。
高田金太郎:その孫。
あらすじ
マヒコのクラスの文化祭の出し物は「シンデレラ」。リーコとマヒコのコンビが主役だが、なんとマヒコがシンデレラでリーコが王子だというのだ。もちろんマヒコは抵抗するが、クラスの決定は覆せない。
マヒコの家の隣には高田さんというおばあさんが一人で住んでいる。そこへ孫の金太郎がやって来て、ここから予備校に通うと言う。その金太郎はたばこやパチンコをやるが、どうやらおばあちゃんにはネコをかぶっているようで、アズミとマヒコが何かと悪者になってしまう。
金太郎に出会って以来、マヒコはシンデレラをベースとした悪夢を見るようになる。シンデレラになったマヒコの前で金太郎が斧や鍬でおばあちゃんやリーコ、靜香、アズにいちゃんを殺すのだ。
ある日、金太郎がリーコとマヒコを家に誘う。古美術を見せていろいろと語ってくれるので、リーコが美術の勉強をするのかと問うと、金太郎は医大に行くという。そこへ突然おばあさんが帰って来て、家のアンティークを持ち出したと叱りとばす。驚いた金太郎は200万円の壺を割ってしまう。
その日、高田の家の中で金太郎が首をつろうとしているところをアズミとマヒコが助ける。金太郎は「祖母を殺してしまった」と泣くが…。
コメント
マヒコの見た夢がスラップスティック・コメディというかミュージカル風というか、妙にオカルトめいたところもある、変なシンデレラです。途中新撰組も出てきたりして、ハチャメチャです。その夢は結局のところ、おばあちゃんの失われた夢「戦前の没落前の華やかな暮らしに戻りたい」かや金太郎の「本当は医者なんかになりたくない」といった思念から生じたもののようです。
「あぶないシンデレラ」とはおばあちゃんのことだったのか、養子に出されそうになった金太郎のことだったのか、ちょっと今でもわかりません。

2010.8.16

収録書籍
あぶない丘の家 第1巻

あぶない丘の家 1 ASUKA COMICS 角川書店 1993.4

あぶない丘の家

あぶない丘の家 小学館文庫 2001.12.10

入手しやすい本作品収録の単行本 あぶない丘の家

あぶない丘の家 小学館文庫 2001.12.10

amazonで購入する

あぶないアズにいちゃん

あぶない壇ノ浦