作品目録

A-A’

 

初出誌
「プリンセス」1981年8月号(1981.8.1) 46p
登場人物
アデラド・リー (A) :惑星探査用に改良された一角獣種で、データ解析とコンピュータの技師として基地に配属されたが調査中の事故で死亡した(享年19才)。育ったのはロッキー山中。
アデラド・リー'(A'):16才。Aのクローン。Aの後任として再生され配属される。
レグ・ボーン:(A)と同僚で惑星調査に同行
レグ・ボーン’:レグ・ボーンのクローン
チャイ:同僚。
あらすじ
ムンゼルの調査基地へ、事故で死亡したアデラド・リーの代わりに、再生したアデラド・リー' (A')が赴任した。クローン再生のための細胞組織と記憶の登録は、事故率の高い宇宙開発参加人員に優先権ガつけられていた。このため最優先で再生されたのであった。
そしてそこには、アデラドが死亡した調査に同行したレグ・ボーンがいた。レグは再生されたアデラドと死んだアデラドの想い出とのギャップに悩みつづける。
そしてある日のフィールド調査でAの遺体が発見される。その遺体を見たレグは…。
コメント
クローンになって記憶を失っても、人を愛した記憶は必ず甦る、というようなロマンチックなお話ととらえたいと思います。
主人公は不器用な体質です。ストレスがかかると他のことに集中し過ぎて、拒食症になる、ドアにぶつかりそうになっても逃げられないほどの不器用さ。しかしながら知能は極端に発達して天才である。これは萩尾先生の創作されたキャラクターなのですが、何かを参考にされたと思うのです。私には発達障害の一種ように思えてしかたありません。

2011.10.26

収録書籍
萩尾望都作品集・第二期 第17巻 A-A’

萩尾望都作品集・第2期 17 A-A’ 小学館 1984.11

A-A’―SF傑作選


A-A’―SF傑作選 小学館叢書 1995.9

A-A'


A-A' 小学館文庫 2003.9.10

投稿
ここに存在しない者が姿をかえて表れるのは、双子のモチーフに分類されます。萩尾作品に多く使われる道具建てです。
この作品の発表当時、クローンではアフリカツメガエルしかできなかったものが20世紀中に羊のドリ-ちゃんが生まれるとは、想像もできませんでした。
そういえばアデラド・リーの体質はなにか菱沼聖子のようだなあ。

1998.3.16 ひで

入手しやすい本作品収録の単行本 A-A'

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一角獣種シリーズ

参考情報
翻訳:英語

春の骨

モンマルトル