作品目録

スター・レッド

 

初出誌
「週刊少女コミック」1978年23号~1979年3号 525p
第1部第1話:1978年第23号(1978年5月28日号) p9~39(31p)
第1部第2話:1978年第24号(1978年6月4日号) p83~102(20p)
第1部第3話:1978年第25号(1978年6月11日号) p105~119(15p)
第1部第4話:1978年第26号(1978年6月18日号) p35~49(15p)
第1部第5話:1978年第27号(1978年6月25日号) p131~145(15p)
第1部第6話:1978年第28号(1978年7月2日号) p67~81(15p)
第1部第7話:1978年第29号(1978年7月9日号) p35~49(15p)
第1部第8話:1978年第30・31合併号(1978年7月16・23日号) p9~33(24p)
第1部第9話:1978年第32号(1978年7月30日号) p53~67(15p)
第1部第10話:1978年第33号(1978年8月6日号) p67~81(15p)
第2部第1話:1978年第36号(1978年9月5日号) p185~224 39p(※扉裏広告)
第2部第2話:1978年第37号(1978年9月20日号) p57~86(30p)
第2部第3話:1978年第38号(1978年10月5日号) p185~214(30p)
第2部第4話:1978年第39号(1978年10月20日号) p73~102(30p)
第2部第5話:1978年第40号(1978年11月5日号) p73~102(30p)
第2部第6話:1978年第41号(1978年11月20日号) p57~86(30p)
第2部第7話:1978年第42号(1978年12月5日号) p155~184(29p)(※扉裏解説)
第2部第8話:1978年第43号(1978年12月20日号) p9~39(30p)(※扉裏広告)
第2部第9話:1979年第1号(1979年1月5日号) p57~86(29p)(※扉裏解説)
第2部第10話:1979年第2号(1979年1月20日号) p173~202(29p)(※扉裏解説)
最終回:1979年第3号(1979年2月5日号) p269~318(29p)(※扉裏解説)
受賞
第11回(1980年)星雲賞コミック部門受賞
登場人物
徳永星(トクナガ・セイ)/セイ・ペンタ・トゥパール:火星で生まれた少女
エルグ:異星人。
陽一(サンシャイン):地球での星の暴走族仲間。ユーラシア貿易の跡取り。
大内源(ゲン):星と対立する暴走族のリーダー。後に仲間になる。
徳永周(トクナガ・シュウ):星の養父。
シラサギ:第三世代の火星人。夢見(予言者)
ヨダカ:シラサギの弟
黒羽:第四世代の火星人。長老の命により星を暗殺しようとする。
ペーブマン:火星人研究局の所属。エスパーを憎み、星をとらえて生体実験しようとする。
アン・ジュール:情報局所属公認エスパー。星をペーブマンの手から救い出す。
カッパ:情報局所属公認エスパー。アン・ジュールの部下。
レガット:地球の地下組織ソベクのボス。ヨダカらに助けられる。
ラバーバ:レガットの右腕。ヨダカたちが星を取り返すのを手伝う。
平賀:ユーラシア貿易の社員
ミュージュ:異星人。委員会のメンバー。
百黒老(ひゃっこくろう):火星人たちの長老。
あらすじ
星(セイ)は15歳、ニュー・トーキョー・シティでパパ・シュウと二人暮らしをしている。コンタクトレンズをして髪を染めているが、赤い目、白い髪の火星人だ。火星で戦争のあった頃、両親に思念波でとばされ、シュウのロケットに現れた。シュウは自分のミスで妻と子を亡くしたところだったので、そのまま星を地球に連れて帰り、育てた。
長い間火星は犯罪者の流刑地として使われていたが、子どもが生まれなかった。その後地球で内乱が起き、火星への輸送が打ち切られた。100年後、地球人が再び火星へ行くと、赤い目の火星人が誕生し、生息していた。地球人は再び火星を支配しようとし、それを嫌った火星人たちは地球人に対して戦った。火星人は敗北し、地球人が再び火星の開発を開始した。星はその子孫で五世代目にあたる。
星は念力が使え、テレパシーや透視能力もある。その能力に気付いたエルグは遺伝子突然変異がいつ起こるのか知りたいと、星を火星に連れて行く。火星は戦争の後、地球人の手で新たな都市が建設され、40万人もの地球人が移住していた。一方、生き残った火星人たちは地球人にみつからないよう隠れて力を蓄えていた。星は仲間と出会うことができるのか…?
コメント
「スター・レッド」は「11人いる!」「百億の昼と千億の夜」に続くSF長編です。萩尾先生にしては珍しく、最後まで結末を決めずに見切り発車で描き始めたそうです。だからヨダカは性転換をすることになったとか…。旧小学館文庫の後書きで書かれています。
「百億の昼」「銀の三角」「バルバラ異界」などに比べるとずっとわかりやすいSFになっていて、火星に恋する少女と孤独に宇宙をさまよう異星人との恋と火星の悲しい運命が叙情的に描かれていて、ファンも多い作品です。
萩尾先生の描かれた火星人たちは古代人のような生活をしています。何もない岩だらけの場所で、シロワタという変わった家畜を育てています。杖をもつ予言者たちの姿や火星人のファッションはまるで砂漠の遊牧民のようです。一方でニュー・トーキョーシティのカッパなどはアンドロイドのような未来服を着ていて、意識的に対比させているようです。この砂漠地帯の古代遊牧民のような人々は、後に「マージナル」へと続くのでしょう。
SFファンにも高い評価を得、本作は1980年、第11回星雲賞コミック部門を受賞しています。

2010.6.17

収録書籍
スター・レッド 第1巻(フラワー・コミックス

スター・レッド 1 フラワーコミックス 小学館 1980.3

スター・レッド 第2巻(フラワー・コミックス582)

スター・レッド 2 フラワーコミックス  小学館 1980.6

スター・レッド 第3巻(フラワー・コミックス583)

スター・レッド 3 フラワーコミックス 小学館 1980.8

スター・レッド 第1巻 五世代―ペンタ

スター・レッド 1 五世代―ペンタ 小学館文庫 1983.7

スター・レッド 第2巻 六世代―ヘクサ

スター・レッド 2 六世代―ヘクサ 小学館文庫 1983.10

萩尾望都作品集・第二期 第3巻 スター・レッド 1

萩尾望都作品集・第2期 3 スター・レッド 1 小学館 1985.12

萩尾望都作品集・第二期 第4巻 スター・レッド 2

萩尾望都作品集・第2期 4 スター・レッド 2 小学館 1986.2

スター・レッド

スター・レッド 小学館文庫(新版) 1995.5

スター・レッド

Perfect Selection 8 スター・レッド 小学館 2008.1.30

入手しやすい本作品収録の単行本 スター・レッド 小学館文庫(新版)

スター・レッド 小学館文庫(新版) 1995.5

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翻訳:イタリア語
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