作品目録

十時間

 

原作
長嶋有
初出誌
「小説宝石」2011年11月号~12月号 42p
前編:2011年11月号(2011.10.22)p128~(p)
後編:2011年12月号(2011.11.22)p141~(p)
登場人物
連:小学6年生の女の子。
里見:連の妹。
あらすじ
1980年代の雪国に暮らす小学生の姉妹・連と里見は、父を亡くしており母と3人暮らし。廃屋寸前の貸家で仕事に出ている母の帰宅を待ちながら、夕方の再放送を流しているテレビを見ている。夜中、雪の重みで屋根が潰れて目が覚めるが、母はまだ帰宅しておらず…。
コメント
作家・長嶋有の小説を漫画化していく「長嶋有漫画家計画」の一つとして『小説宝石』に2回に分けて掲載された作品。長嶋有が自作を漫画化しようと考えたのは、自身が「ブルボン小林」という筆名で漫画評論を行っているほど漫画に造詣が深いことと無縁ではないでしょう。「文藝別冊 萩尾望都」での対談がきっかけだったのか、萩尾先生にもお声をかけ、快諾していただいたそうです。少女漫画の大家に少女が主人公の作品を、という理由でこの作品が選ばれたようです。
頼りない妹に対してしっかり者の連ですが、まだ小学生。母親が帰って来ない家は心細いものです。それなのに家に異変が起こるなんて、本当に厳しい、心理的には追い詰められた状況です。そこから連がどうやって抜け出すのか。
本文中に「フランダースの犬」のルーベンスの絵が出てくるシーンに言及する台詞があります。この作品の除雪車は連にとってのルーベンスの絵のような印象を与えますが、彼女への心理的効果は真逆のもので、「大丈夫」という方向へ動かします。美しい場面ですが、「メッシュ 春の骨」の「凶暴な人間に最後に見せるにしてはきれいだ」というシーンを思い出しました。萩尾先生はこういう静かな美しい場面を本当にきれいに描かれます。
ラスト、大量の猫を描かれるのはさぞ大変だったでしょう。猫好きの先生には楽しいシーンだったのかもしれませんね。

2011.11.29

収録書籍
長嶋有漫画化計画

長嶋有漫画化計画 光文社 2012.3.20

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長嶋有漫画化計画 光文社 2012.3.20

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