作品目録

あぶな坂HOTEL―雪山へ―

 

初出誌
「YOU」2007年第23号(2007年12月1日号) 41p
登場人物
八方雅也(やつかた・まさや):あぶな坂HOTELに飛び込んできたスキーヤー
八方竜一:雅也の兄。
愛理(あいり):雅也の恋人。
藤ノ木由良(ふじきの・ゆら):あぶな坂HOTELのオーナー。
甘粕:あぶな坂HOTELのマネージャー
あらすじ
あぶな坂HOTELにスキーヤーが二人迷い込んできた。二人は兄弟で、弟の雅也があぶな坂HOTELに飛び込んで来ると、兄がすでにホテル内にいた。兄は何日も遭難していたかのようにやつれている。弟の雅也は帰ろうと外に出るが、由良に止められる。そこで雪崩が起き、雅也は思い出す。三月の白馬岳で兄と二人で久しぶりにスキーを楽しんでいたら、雪崩が起き、兄を見失ってしまったのだ。何時間も雪面にプローブを突き刺し続け、兄を探したが、ついに見つからなかったのだ。それから、もう4年の月日が流れていた…。
コメント
「あぶな坂HOTEL」も4回目になりました。前回あと1回で単行本か?とか書きましたが、164pじゃあ無理ですね。200p欲しいところです。あともう1回は最低でも必要なようです。
恥ずかしながら、「プローブ」とは何のことかわかりませんでした。調べたところ、雪崩で雪に突き刺して、埋もれた人を探す棒のことで、40cmくらいに折りたたまれたものを組み立て、最終的に3m位になるそうです。雪山には必須だそうで、「ゾンデ棒」の方が通りが良いとか。ゾンデ棒がドイツ語でプローブが英語で、同じ物を指すそうです。最初ストックのことかと思いましたが、そんな短い筈はないです。しかし、ストックをのばすようなスタイルのものもあるそうです。
今回の作品はこれまでと少し違い、もともと帰ることが出来ない人がいます。過去3回はこれから黄泉の国に行く手前の人たちがやってきて、現世に戻って生きる人、そのまま去る人と別れたのですが(「三人のホスト」は全員帰りましたが、「女の一生」は幸福に去りましたね)、少し趣が違います。ですから生者と死者が混乱させられてしまう。もう帰る身体がなくて現世に戻れないけれど、その人を探す強い気持ちのある人があぶな坂HOTELにやってきて、再会することが出来たというお話。あぶな坂HOTELは生きている者と死んでいる者がお別れをする場所でもあるようです。
収録書籍
あぶな坂HOTEL

あぶな坂HOTEL クイーンズコミックス 集英社 2008.3.24

入手しやすい本作品収録の単行本 あぶな坂HOTEL

あぶな坂HOTEL(クイーンズコミックス) 集英社 2008.3.24

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