ホーム > 作品目録 > オーマイ ケセィラ セラ
- 初出誌
- 「週刊少女コミック」1973年第21号(1973年5月20日号) p177~211(45p)
- 登場人物
- セィラ・マーリ:15歳。聖オレンジ女子校の中等部3年。
ニール・アンダスン:13歳。ウィリアム男子校の中等部1年。アメリカからの転校生。
ミスター・アンダスン
ミス・テレサ:ミスター・アンダスンの秘書
セィラの母:セィラが7歳の時に亡くなった
エバリン先生:オレンジ校のハウス・マザー
- あらすじ
- 舞台はイギリスの女子校。主人公セィラ(本名はセルマ・マリアン・ハミルトン)は、金髪の巻き毛がチャーミングで、隣接するウィリアム男子校の生徒に大人気。自らも、亡くなった母にならって「プレイガール」なることを宣言している。おりしも、ウィリアム校の校長ミスター・ウィリアムと、オレンジ校の校長ミス・オレンジが結婚するため、両校が合併し共学になる!という騒動のさなか。セィラは2歳年下の謎の少年ニールと出会う。
- 彼は転校してくる早々プレイボーイぶりを発揮し、ホッケーでも天才的な手腕を示す。だが、何やら彼はセィラに近付こうとしているらしい。そしてふとしたきっかけで、セィラはニールにファーストキスを奪われてしまう!いったい彼は何者?そして二人の仲はどうなっていくのか?
- コメント
- 王道な感じのラブコメですが、非常にスピーディで内容も濃く、読み応えのある作品です。ここで萩尾先生はプレイガールなのにまったくイヤミがないという奇跡的な女性を創出させています。こんなふうにいそうもない女性だったから、娘がずっと憧れ続ける母親として描くことができたのかもしれません。セィラはきっと素敵な女性に育つことでしょう。
どう生きようかという問題は常につきまとってきますが
わたしはもういないママのやさしい細い指を髪に感じるのです
かつて心よりわたしを愛した人があったという記憶は
なんとゆたかなものだろうと
ごくあたりまえのことをあたりまえに思うのです。
- 収録書籍
-
精霊狩り―傑作短編集 小学館文庫 1976.12
萩尾望都作品集 10 キャベツ畑の遺産相続人 小学館 1977.7
ケーキケーキケーキ 白泉社文庫 1996.3
Flower Comics Masterpieces
愛の宝石 小学館 2012.12
投稿
44ページの学園ラブコメ。当時の少女漫画界はラブコメ全盛期、萩尾先生もこの頃はコメディを描かれることが比較的多かった。つきぬけた明るさ、音楽的なテンポとスピード感あふれる展開の中、萩尾先生らしい深みもある。ニールの正体をめぐる謎を軸にミステリタッチな部分もあり、歳月を経て明かされる愛の真実もあり、早く亡くなった母に思慕を寄せる少女の内面も描かれている。
「呼ばれてみたい もう一度 愛をこめて マイ・ケ・セィラ・セラ やさしいアルト ママの声……」(考えてみれば、娘の母への愛をこれだけストレートに描いている萩尾作品は少ないだろう)
相手の男性が年下で、身長も5センチ低い美少年(トーマか、ロビン・カー系)というところもツボ。
2009.3.14 へびいちごさん
キャベツ畑の遺産相続人
ハワードさんの新聞広告