作品目録

ママレードちゃん

 

初出誌
「週刊少女コミック」1972年第23号(1972年6月4日号) p227~250(24p)
登場人物
ジョー(ジョージア):父と兄3人と暮らす16歳の女の子
ジュス・ハラー:駅前のデザイン専門学校の生徒
メアリ:ジョーのいとこで下宿の娘
ジョーの兄。3人いるが、おそらく1番上の兄がメアリの恋人。
あらすじ
マーマレードを作るため、たくさんのオレンジをかかえたジョーがジュスとぶつかってしまい、転がったオレンジを拾って家までの送ってもらう。マーマレードが好物のジュスに作ったらあげると約束したジョーはジュスが通うデザインの専門学校に訪ねて行くと、生徒たちはショーの準備に追われていた。デザイン、型紙作り、裁縫とモデルを使って服を作って行く彼らの中に、ジュスが頼んでいるアリソンというモデルがいた。細くて白いアリソンにコンプレックスを抱くジョー。偶然街でジュスに出会い、下宿に誘われて話しているうち、実は男の子に間違われていたことがわかり、ジョーは下宿を飛び出してしまうが…。
感想
偶然ぶつかりオレンジが転がり出会う→恋をして、ボーイッシュな女の子が素敵な女性に変身、という少女漫画王道パターンを踏襲しながら、ホントに描きたかったのは「ファッション史」です。萩尾先生が本当に描きたいものをどうやって作品として昇華していくのかということがよくわかる作品です。
ファッションの専門学校を卒業されているので、もともとファッション史にはお詳しいのですが、単なるうんちく漫画ではなく、物語としてもテンポ良く、面白い作品になっています。
ところで、「ママレード」か「マーマレード」かどちらの表記が正しいかですが、“marmalade”をどう表記するかという観点からすると、どちらも間違っていないようです。現在は「マーマレード」と表記することが多いのですが、アヲハタが「ママレード」なので、作品発表当時は「ママレード」が一般的だったのでしょう。参考まで

2010.4.19

収録書籍
萩尾望都作品集 第10巻 キャベツ畑の遺産相続人

萩尾望都作品集 10 キャベツ畑の遺産相続人 小学館 1977.7

赤ッ毛のいとこ―珠玉傑作集

赤ッ毛のいとこ―珠玉傑作集 小学館文庫 719 1984.12

この娘うります!

この娘うります! 白泉社文庫 1996.9

愛の宝石

Flower Comics Masterpieces 
愛の宝石 小学館 2012.12

入手しやすい本作品収録の単行本 この娘うります!

この娘うります! 白泉社文庫 1996.9

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