萩尾望都　セーラ・ヒルの聖夜：萩尾望都作品目録

初出誌

「週刊少女コミック」1971年冬の増刊号（1971.12.24）　p123～202（80p）

あらすじ

両親が仕事で忙しいため寄宿舎に入っている少女キャロンは田舎の祖母の家へ冬休みを過ごすためにやってくる。そこでキャロンは自分とそっくりな少年クリスに出会う。顔も声も赤毛も何もかもがそっくりなクリスを見て、キャロンは自分の兄弟であることを確信する。

知らせを受けた両親がかけつけて二人を引き離そうとするが、二人は真実を知ろうと汽車に乗る。何故二人は別々に育ったのか？それぞれの今の両親は？本当の両親は？それを知るために．．．

コメント

「ケーキケーキケーキ」以来の中篇、というよりは自作では初めての中篇でしょう。

生き別れになっていた兄妹が偶然出会うというとちょっとメロドラマめいた話に聞こえてしまいますね。

「ルルとミミ」「ケネスおじさんとふたご」に続くふたごシリーズ第3弾。以後「11月のギムナジウム」など多数発表されているので、別にシリーズではありませんが、登場はたいへん多いと思います。

聖歌隊の衣装をつけて歌う二人はまるで天使のようです。ふたごの天使という図は後の「トーマ」へと繋がっていく道筋ではないでしょうか？

収録書籍

萩尾望都作品集 4 セーラ・ヒルの聖夜小学館 1977.5

11月のギムナジウム　小学館文庫（新版）　1995.12