作品目録

AWAY-アウェイ-

 

初出誌
「flowers」2013年6月号~2015年8月号
4月1日 前編:2013年6月号(2013.6.1) p3~46(43p)
4月1日 後編:2013年7月号(2013.7.1) p168~207(40p)
3月21日 前編:2014年4月号(2014.4.1) p4~38(35p)
3月21日 中編:2014年5月号(2014.5.1) p43~74(32p)
3月21日 後編:2014年6月号(2014.6.1) p167~202(36p)
4月3日―悪い宇宙人とママ 前編:2015年3月号(2015.3.1) p45~89(45p)
4月3日―悪い宇宙人とママ 後編:2015年4月号(2015.4.1) p3~49(45p)
2033年4月5日―仏子沼えりか:2015年6月号(2015.6.1) p245~274(30p)
2034年11月11日―河津克美:2015年7月号(2015.7.1) p135~164(30p)
2051年―世界の秘密―:2015年8月号(2015.8.1) p135~164(30p)
登場人物
AWAY
大熊大介(オオクマダイスケ):埼玉県榛野(ハンノ)市桜台高校の2年生。
加賀一紀(カガカズキ):桜台中学2年の女の子。大介のイトコ。
加賀正国(カガマサクニ):一紀の兄。
鳥居星名(トリイセナ):一紀の親友。
鳥居空也(トリイクウヤ):星名の兄。品川に残る。
猿渡飛比夫(サルワタリトビオ):茨城の牛久から埼玉の榛野市に来た少年。
牧九郎(マキクロウ):入間川寺の高校一年生。
式部:桜台高校2年女子のリーダー。
八神さん:タクシーの運転手。AWAY界 唯一の大人。
行(イク)、進(ススム):星名の品川のマンションの隣の子。
えりか:榛野高校2年生。仏子沼の孫。病院で子供達の面倒を見ている。
HOME
大熊大介の父母
小竹のおばあちゃん:小竹旅館の主。大介・一紀・正国の祖母。
藤原夫妻:小竹の養子。
八神:カウンセラー。タクシー運転手・八神の息子。
巾着:カウンセラー。
遠藤絹子:猿渡飛比夫の母。小竹旅館勤務。
麻場:ケーブルテレビのインタビュアー。榛野市鶴見大学3年生。
叶先生:産婦人科医。
仏子沼議員(ブシヌマ):議員。
AWAY 3月21日
河津:桜台高校1年生。大介の後輩でバスケ部員。
阿能:桜台高校の生徒。
サリー:桜台高校の生徒。
スミレ子:桜台高校の生徒。
宙太:ヘリコンを飛ばしている小学生。
三歩ネネ:一紀の家の隣に住む小学生。返事をするときにリコーダーを吹く。
祓:消防団の青年。
あらすじ
203X年3月20日の朝から大寒波がやってきて、雪が降り始めた。北半球は寒波で、南半球は大嵐。超特大のデリンジャー現象が連続して起こり、電車も飛行機も車も船もあらゆる交通機関が止まってしまう。テレビもラジオもインターネットもすべて使えなくなり、世界中が閉じこめられたようになった。そして、翌日の21日の朝になったら、大人がいなくなっていた。
残された子供たちは…。
コメント
小松左京「お召し」が原案となっています。確かにこれは「原案」です。「大人がいなくなって子供だけの世界になる」「年かさの子供たちが、より小さい子供たちを助けている」「一定年齢になると消えてしまう」「赤ちゃんは生まれてくる、というか何もない空間から突然現れる」という設定をもらってきて、ほとんど一からストーリーを作られています。登場人物も完全にオリジナルです。また、「お召し」では12歳が上限ですが、「AWAY」では18歳となります。病気で1年遅れた子が消えてしまった話は大介に生きています。
何故18歳にしたのでしょうか?12歳の方がより「子供だけ」の感じがしますが、18歳の方がドラマに膨らみが出ますね。ほのかに恋愛も描くことが出来る。
車の運転が出来て、移動が出来ると、これが小さな町だけの問題ではないことが容易に説明できます。「お召し」では自動車と“モーターサイクル(バイクですね)”だけです。でも、何故わざわざ埼玉から東京へ4時間かけて車で移動したところから始めたのでしょうね。
登場人物の名前が気になります。式部とか九郎とか、大熊とか…なんか古めかしい。何か、説話や日本神話の物語をなぞっているかのようです。

2013.4.27

後編は舞台が移ります。何ら責任のない少年が、直接押しかけられたりツイッターで炎上したりして多くの人に糾弾されます。また、勝手なことを言う議員が登場したり、かなり現在の世相が反映されているように思います。
この藤原夫妻の存在ってなんだろう?小竹のおばあちゃんは、一紀が「母方の祖母」と言ってるので、大介とは母親同士が姉妹なのかもしれません。二人とも嫁に出してしまったので、後を継ぐ人がおらず、旅館のために養子をとったのか。何か意味があるのだろうと思うのですが、わかりません。
続編は2013年冬に登場だそうです。設定が細かくなってきました。単行本1冊分くらいは充分広げられる本格SFになるのではないでしょうか?最初の構想では前後編だったものが、それではおさまらなくなったのでしょう。

2013.5.27

ようやく再開されました。先の物語(4月1日)の少し前、3月21日に大人達がいなくなった日の前日から話が始まります。見あたらない親を捜して子供達があつまります。一番年長の高校生たちが何か手がかりをつかもうとしていること、パニックの中でも小さい子供達のことを考えなくてはと必死になっている姿が痛々しいです。

2014.2.27

子供だけの世界で一番怖いのが火事です。この物語の舞台は2033年。その10年前の2023年の2月に東京震災が起きた、そのせいで子供達も安全教育が行き届き、14歳以上の青年団は年に2度消防訓練を行っている、という設定です。それで子供達だけでも火事を止めることが出来たわけです。子供達だけではなく、HOMEのときにも登場した、ただ一人の大人、八神のおじさんが登場します。

2014.3.26

子供だけの世界でさまざま事件が起きますが、これは最も凄惨なものです。家に閉じこめられた、かつて子供だった挫折した青年と小さな子供たち。リストも18歳以下ということですよね。河津くんは大熊より偉い。
単行本1巻は夏に発売予定。そして続きはまた冬に再登場されるそうです!

2014.4.26

「大人がどこかにいってしまった」のではなく、「HOME」という18歳以上の場所が確認されました。HOMEとAWAYの行き来を、怪しく見つめる新キャラクター...
18歳以下の子供だけの世界、想像するだに恐ろしい。パニックを起こす小さい子供たちを、それでも年長の少年少女が必死に助けて生きています。子供は往々にして身勝手なものです。今回もそういう子供も登場します。でも目の前にいる小さい子供たちへ出来ること、頭に浮かぶことは何でもやる子供もいます。柔らかい頭の子供の方が、見知らぬ現実に対して対応できるのかもしれません。では、頭の固い、でも経験値の高い大人たちはどうしているのでしょうか?

2015.1.28

HOME(大人)とAWAY(子供)の子供側の努力を大人は踏みにじり、傷つける。必死で対応してる子供の柔軟な頭脳と、こわばってしまった大人の頭脳。SFの世界ではいわば一つの典型です。

2015.4.28

河津克美という少年は出てきたときから、すごく気になる人物でした。こんなに活躍する場を与えられて、とても嬉しいです。いよいよ物語はクライマックスへ向かいます。

2015.5.28

収録書籍
AWAY-アウェイ-

AWAY-アウェイ- 第1巻 小学館 2014.7.15

AWAY-アウェイ-

AWAY-アウェイ- 第2巻 小学館 2016.9.10

入手しやすい本作品収録の単行本 AWAY-アウェイ-

AWAY-アウェイ- 第2巻 小学館 2015.9.10

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