2019年10月13日に吾妻ひでお先生がお亡くなりになられたことが10月21日に発表されました。吾妻先生は萩尾望都先生と縁の深い方でした。
お二人は学年は同じですが、生年は吾妻先生の方が一つ下になります。デビューも1969年で同年です。お二人の出会いは「1970年代中頃、大泉学園で飲んだ」だそうです。当時萩尾先生はお酒が無茶苦茶強かったとのこと(今は嗜まれません)。
1985年「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」を共作され『奇想天外臨時増刊号 吾妻ひでお大全集』に発表しました。この共作は奇想天外の編集者の発案で、お二人で一緒に1ページずつ描いたのだそうです。萩尾先生はその前に対談が入っていてガンガン飲んだ後に描かれたと(この作品は先月に刊行された「不条理日記 完全版」にも収録されています)。
その前に2007年に萩尾先生が本SF大賞を受賞された時に特集された『コミックリュウ』にも収録されました。この『コミックリュウ』日本SF大賞受賞記念特集には萩尾先生と吾妻先生の対談が載っています。「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」を描かれた時のお話も入っています。
→「コミックリュウ 日本SF大賞受賞記念特集 萩尾望都」
そして、2011年「愛のネリマ・サルマタケ・ゾーン」を「文藝別冊 吾妻ひでお」にて再び共作されます。現在品切れですが、11/19に入荷される模様です。amazon
2014年に刊行された「愛するあなた 恋するわたし―萩尾望都対談集2000年代編」の冒頭に先の『コミックリュウ』で行われた吾妻先生との対談が掲載されました。
この対談集の刊行を記念して、青山ブックセンターでお二人のトークイベントが行われました。それがこちらです。
→「萩尾望都×吾妻ひでおトークイベント・レポート」
吾妻先生と萩尾先生はお二人ともSFが大好きで、SFから多くのものを吸収して作品を発表されました。私も「不条理日記」「失踪日記」「アル中病棟」などたくさん吾妻先生の作品が好きでした。ご冥福をお祈り申し上げます。