2017年8月14日

萩尾望都SF原画展 新潟会場に行ってきました。

萩尾望都SF原画展12017年7月15日から始まっている萩尾望都SF原画展 新潟会場にようやく行ってきました。
新潟会場展示一覧

8月11日お盆の初日、東京駅の新幹線乗り場は大変混雑しておりました。指定席をとっておいてよかった。そこから2時間強で新潟駅です。わりとあっという間です。

会場である新潟市マンガ・アニメ情報館は新潟駅から徒歩15分、万代口のバスターミナルからバスでも行ける(会場アクセス方法詳細)とありますが、私は東京から日帰りなので、とにかく時間と体力が惜しくてタクシーで行きました。650円。但し、運転手さんは「新潟市マンガ・アニメ情報館」では場所がわかりませんでしたので、住所を言いました。ナビがついてて助かりました。田舎のタクシーでナビがついてない時もあるので困りますが、新潟駅近辺は都会ですから大丈夫でした。

入場料900円。吉祥寺の100円が普通ではないので、多分これは特に高くないと思います。当日に限り再入場可なので、入場券は入場後なくさないでください。吉祥寺と違い大きな荷物を預けるロッカーはありませんが、受付の方にお願いすれば預けられます。番号札を受け取ってください。


全体的に黒で統一された展示室。入場してまず最初の部屋は3枚のモノクロの大きなタペストリーがありました。右が「夢狩りの夕べ」(「銀の三角」第3部7章『S-Fマガジン』1982年6月号。白泉社文庫p300~301)、中央が「ミューパントーの歌」(「銀の三角」第1部3章『S-Fマガジン』1981年2月号。白泉社文庫p52~53)、左が「兇天使」(早川書房 1986.6.30。下巻p250~251)です。

その次の部屋が写真撮影可で、右から「百億の昼と千億の夜」の阿修羅秀作イラスト(「萩尾望都自選複製原画集」にモノクロで収録。今回追加)、燃える阿修羅、レッド星、「マージナル」のキラです。燃える阿修羅の画像をクリックしていただくと、動画を見ることが出来ます。

萩尾望都SF原画展萩尾望都SF原画展
萩尾望都SF原画展20170811e.jpg

ここで一度入口付近に戻り、展示室に入り直します。

ChapterI 1970s SF初期
あそび玉
6月の声
精霊狩り
ドアの中の私の息子
みんなでお茶を
キャベツ畑の遺産相続人
1ページファンタジア
ユニコーンの夢
11人いる!→原画16点、複製原画24点とプロット追加
スター・レッド→複製画24点追加
追憶
左利きのイザン→原画16点追加
フレア・スター・ペティコート
月蝕→原画12点追加

「11人いる!」が大量です。扉絵やカバーなどカラーの名品が多い作品なので、吉祥寺では本編からの原画は6点でしたが、16ページも追加されています。ラストのダダからフロルへのプロポーズのシーンあたりが入っていて「ほぅ...」っとしました。また、新潟展では複製画が大量に展示されています。「11人いる!」から「東の地平・西の永遠」小学館文庫のp230~241,p272~283の24ページ。プロットは2ページの小さいものでしたが、とても貴重です。萩尾先生がどうやって物語の展開や起伏を考えておられるのか、その一端がわかります。
「スター・レッド」にも複製画が追加されています。小学館文庫のp180~191,p400~412の24ページ。
「左利きのイザン」全16ページ分の原画が追加されています。
「月蝕」全12ページ分追加。これは『スターログ』というアメリカのSF雑誌の日本語版別冊『バンピレラ』に載ったものなので、左開きです。なので展示された時にも読み方に注意が必要です。


ChapterII 1970s・1980s コラボレーション
百億の昼と千億の夜→原画16枚、複製画24枚、ネーム追加
ブラッドベリ傑作選
霧笛→原画8点追加
ウは宇宙船のウ/びっくり箱/集会/ぼくの地下室へおいで
文庫カバーイラスト
薔薇の荘園/ドラゴンになった青年/妖精の王国/闇の公子/花狩人/派遣軍還る/光の王/魔王子シリーズ/兇天使/惑乱の公子/猫柳ヨウレの冒険/あいつらの悲歌/魔道師の杖/∀ガンダム
星の光と伝説(LPジャケット)
∀ガンダム
大予言と奇跡(ペーパームーン)
精霊の森→原画追加
ピアリス→原画24点追加

このコーナーではまず「百億の昼と千億の夜」の大増量が目に付きます。ネームはどさっと大量のものでした。原画は新書版のp110~123の阿修羅王と悉達多の対話部分、複製画はp98~109とp314~325の24ページです。
「霧笛」の原画が追加されています。一番盛り上がるところ8ページ分です。
「精霊の森」はカラー、B2サイズでとても大きいです。 今回初めて拝見した絵です。角川書店「かぎりなく死に近い生(WONDER Xシリーズ)という本の「ユングの臨死体験」という項目の中に使用されていたイラストです。そこにタイトルはありませんでした。今回の出展にあたりタイトルを決めたのか、初めて発表されたのか、いずれかだと思います。

本が刊行されたばかりの「ピアリス」はそもそもこの原画展で挿絵を展示したことから始まったものです。今回の原画展で追加されたものを含めると、すべての絵が展示されていました。


ChapterIII 1980s・1990s SF中期
銀の三角→複製画36ページ追加
A-Aダッシュ→原画4点追加
4/4カトルカース→原画6点追加
X+Y→原画5点追加
緑柱石(ベリル)
モザイク・ラセン
ハーバル・ビューティ
マージナル→複製画24点追加
海のアリア
あぶない丘の上
いたずららくがき→原画8点追加
西風のことば


「銀の三角」の複製画36点は白泉社文庫「銀の三角」第一部一章「いのりのあさ」からp8~19、第二部四章「高原幻想」からp152~163、第二部六章「歪んだモザイク」からp186~197です。
「いたずららくがき」の全原画が追加されています。刊行されたばかりの小説集「美しの神の伝え」に収録されている作品です。
「A-Aダッシュ」原画4点、「4/4カトルカース」原画6点が追加。「銀の三角」は36ページ、「マージナル」は複製画が24ページ追加。


ChapterIV 2000s SF近作
バルバラ異界
トレマリスの魔術師
宇宙船運転免許証
揺れる世界
なのはな→原画2点追加
プルート夫人→原画2点追加
雨の夜―ウラノス伯爵→原画2点追加
サロメ20XX→原画2点追加
AWAY


「なのはな」に収録されている作品から「なのはな」「プルート夫人」「雨の夜」「サロメ20XX」から2点ずつ原画が追加されています。

他に二次資料の入った大きなガラス棚が二つありました。吉祥寺の時には出ていなかったポーランド語の「銀の三角」がありました。日本に5冊くらいしか入ってないと思うんですけど(笑)。

また、展示室を出たところでは吉祥寺同様グッズを販売しています。

当日に限り再入場可なので、どこかでお茶をしてまた再入場してもいいかもしれません。同じ建物(BP2)の同じフロアにはカプリチョーザとフレッシュネスバーガー、2Fには食事が出来るお店が2店舗、お向かいのビルボードプレイスの1Fにはカフェがあります。


私は吉祥寺に通い詰めたので、どうしても吉祥寺との違いに目が行ってしまいますが、初めて行かれる方も多いと思います。原画をじっくり見ているだけで1時間はかかります。私なんか5時間くらいいました。とても疲れましたが、充実していました。


2017年7月15日(土)~9月3日(日)
会場:新潟市マンガ・アニメ情報館
所在地:新潟県新潟市中央区八千代 2-5-7 万代シテイBP2 1階
開館時間:11:00~19:00(土・日・祝は10:00~)

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