「ポーの一族」が宝塚歌劇団花組にて舞台化されます。
「ポーの一族」が宝塚歌劇団花組にて舞台化されることが発表されました。2018年1~3月に兵庫・宝塚大劇場、東京・東京宝塚劇場にて上演されます。このニュースを聞いて私は最初に小池修一郎先生(愛称イケコ)の長年の願いが実ったのだなと感慨深いものがありました。
ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」花組公演
原作:萩尾望都
脚本・演出:小池修一郎
主演:明日海りお、仙名彩世
2018年1月1日(月)~2月5日(月):宝塚大劇場
2018年2月16日(金)~3月25日(日):東京宝塚劇場
「ポーの一族」(小学館文庫)第1巻のあとがき「パンパネラの封印」によると、劇作家であり舞台演出家である小池修一郎先生は1977年の宝塚歌劇団入団時にすでに「ポーの一族」を舞台化したいという希望をもっていらしてました。独り立ちした演出家としてデビューしたのが1986年で、翌年1987年に第2作として「ポーの一族」をやりたかったのですが、少年なので難しいと、大人のドラキュラものをやろうと「蒼いくちづけ」を作・演出されました。この時から萩尾先生は小池修一郎先生の作・演出作品にはずっと招待され、ご覧になっているそうです。
1996年星組公演「エリザベート」の再演時に主役2人と小池先生、萩尾先生の4名で対談をしており、『歌劇』に掲載されています。この時の話に出たことですが、萩尾先生が最初に宝塚をご覧になったのは、15歳のとき。「霧深きエルベのほとり」という舞台だったそうです。大阪に住んでいらした高校生の頃と一致しますね。(「エリザベート」特別対談―「歌劇」1996年9月号 p88~92)また、小池先生ご自身が「エリザベート」をノベライズ化した本(文庫本の方です)のあとがきを萩尾先生が書かれています。
2003年6月~7月に雪組公演で「アメリカン・パイ」が上演されます。これまで唯一の萩尾作品の舞台化です。映像はCSのスカイ・ステージで時折見ることができます。
2003年11月~2004年3月、宝塚歌劇団月組トップスター、紫吹淳さんの退団公演となった「薔薇の封印―ヴァンパイア・レクイエム―」が上演されました。作・演出はもちろん小池修一郎先生。この時の「ヴァンパイアと薔薇の谷」という「ポーの一族」の設定を使うことの許可を萩尾先生から得ています。パンフレットにも「清く妖しく美しく」という2ページのエッセイを寄せられています。その文末で宝塚の魅力をこう表現されています。名文です。
薔薇の香りにたちくらみ、おののき、ときめき、ためいきの宝塚の舞台に、透きとおるように溺れたい。
この時の対談では「ポーの一族」は少年が主人公なのでどうしても制約があって、と小池先生が語られています。(宝塚月組トップ ラストステージの舞台裏―ヴァンパイアに魅せられて「婦人公論」1149号 2004.3.22 p144~148)。今回の公演はこの「制約」が何らかの形でクリヤされたせいなのでしょうか?是非その辺を小池先生に語っていただきたいものです。
この公演については『月刊フラワーズ』2017年7月号に萩尾望都先生のコメントが掲載されるそうです。
萩尾望都先生の名作『ポーの一族』初舞台化!宝塚歌劇で上演!(月刊フラワーズ)
2018年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】<2018年1月~3月・花組『ポーの一族』>(宝塚歌劇団)
「ポーの一族」宝塚花組にて舞台化、2018年に上演(コミックナタリー)
宝塚「ポーの一族」を初舞台化、30年かけ交渉成立(ORICON NEWS)