『小松左京マガジン』終刊号に対談が掲載されています。
2013年9月28日発売の『小松左京マガジン』第50号(終刊号)で萩尾先生が作家の山田正紀さん、幹細胞生物学研究者の八代嘉美さん、漫画家のとり・みきさんと対談されています。『小松左京マガジン』は故・小松左京氏が2001年に刊行された個人誌で、多くの作家や漫画家が作品・評論を寄稿したり、対談されていたりします。萩尾先生も時折エッセイなどを寄稿され、第13号の表紙を描かれたことがあります。小松左京氏が故人となられた後も、小松氏の長年の秘書で、株式会社イオ代表の乙部順子さんが刊行を続けられていましたが、50号をもって区切りとし、終刊されるそうです。
冒頭、『flowers』で連載中(冬に再開)の「AWAY」(原案:小松左京「お召し」)について詳しくお話されています。小松左京氏が「僕の作品で描いてみたいものある?」と聞かれたときに「『お召し』」を描きたいです」と答えたこと。しかし、それがバブルの頃で、このような作品は受け入れられないだろうと考え、やめたこと。2011年に東日本大震災が起きて、実際に世界が一変することがあるのだ、と「お召し」をたびたび思い出したことなど...。
ある年齢を境に遮断されてしまうというのはSFのアイディアとしては珍しいそうです。「AWAY」も萩尾先生にとっては、「震災後」の作品の一貫なんですね。
『小松左京マガジン』第50号
イオ発行,角川春樹事務所発売 2013.9.28 ISBN978-4-7584-1225-4