女子美術大学特別公開講座「萩尾望都SF漫画の世界」のレポートです。
今回は絵を見ながらだったので、その絵とメモを見ながら記憶を再現しました。文庫版の「11人いる!」「スター・レッド」「マージナル」をご用意下さい。表紙画像以外はここには表示しませんので指定ページをご覧下さい。
日時:2012年9月10日(月)16:20~17:50
場所:女子美術大学杉並校舎
司会:内山博子教授(女子美術大学芸術学部教授)
1.萩尾先生の日本及びパリでの女子美における活動について紹介
<萩尾先生のご紹介>
内「萩尾先生はこれまで作品点数が40年間に200作品(自サイトをチェックしたら確かに204作品ありました)、販売総数が2,000万部以上、数々の賞を受賞されていてインクポット賞や昨年は日本漫画家協会賞文部大臣賞を受賞されました。」
萩「この漫画家協会の賞は何にももらえないので、理事長のやなせたかしさんが気の毒がって、おこづかいをいただきました(笑)」
<ポンピドゥーや日本でのワークショップ>
(ポンピドゥーでの様子が映し出される)
内「萩尾望都先生には昨年からアート・デザイン表現学科メディア表現領域の客員教授をしていただいています。萩尾先生とわたしは2月に一緒にパリに行きました。ポンピドゥー・センターに行って、講演とワークショップをおこないました。ワークショップではみなさんに「11人いる!」の扉絵を描いてもらいました。」
萩「ワークショップはフランスの方からいろいろとおもしろい質問をして下さって楽しかったです。日本ではどうして少年漫画、少女漫画というものがあるのかと聞かれて、逆にフランスではないのか、と新鮮でした。」
萩「ワークショップに参加されたのは、12~13歳から20歳前後くらいの人達でした。小さいお子さんの場合は必ずご両親が一緒に来られていました。」
萩「これに先立ち、日本のキャンパスでもワークショップを開いて、日本とフランスの学生さんに同じ課題をやってもらいました。日本とフランス、それぞれの個性が出ていておもしろかったです。日本の方のほうがやはり絵はうまいです。一枚絵を仕上げるというところでちゃんとバランスがとれています。フランスの方は漫画を趣味にしているうまい人もいれば、またお絵かきのレベルという人もいるのですが、各自描きたいものがはっきりしているのです。「11って何でもいいんだよ」と言うと、悪魔みたいなものや頭がなかったり足がなかったりするモンスターを描いていて、「これは足がないね」と言うと、「これはこういう理由で足がないんだ」と説明してくれます。自分の世界を直接画面に出しているのが面白かったです。」
2.「11人いる!」について
萩「「11人いる!」は宮沢賢治の「ざしきぼっこ」という短編を読んで思いついたお話です。東北の農家の家で子供たちが遊んでいると、いつの間にか一人増えて11人いる、みんな知った顔だけど、それが誰なのかわからないというお話です。この題材で何か描けないかと思い、"宇宙空間でいつの間にか一人増えている"という設定を高校の頃に考えて、ずっともっていました。小学館から前後編120ページをいただいたので、描いてみました。」
(「11人いる!」の扉絵が映し出される)本の中身には11人まとめているところが少ないので、扉に11人描いて、読者が迷ったら扉に戻ればわかるようにと考えて描きました。顔のでかい順に重要人物です。(王様を指して)ストーリー的には悪役で、こういう人がいないと話が回らない。」
萩「宇宙大学への入学試験のため、受験生が宇宙船に乗り込んだ。10人一組でテストがあると聞かされていたのに、乗り込んでみたら一人多くて11人だったので、みんな大騒ぎになるという話です。」
(表紙の変遷。トトはいつでも小さいことを内山教授が指摘され、笑いをとる)
(一ページ目の原画。手書きの小さい文字が書かれている)
萩「これは宇宙の歴史が書かれています。」
内「こういう歴史を書かれるときは何か調べたりなさいますか?」
萩「調べるというよりは、これまでいろいろ読んできたSFの宇宙観を参考にしています。多いのが銀河連邦を設立して交易をするというものですが、宇宙空間になると航行時間をどうするかという問題が発生します。みなさんいろいろ工夫されていますが、だいたいみんなワープが基本です。あるいはゲートといって門をつくってあっちからこっちへ移動というものがあります。
作家によっては石の形をした動かない宇宙人や水のような宇宙人が出てきますが、それをやると大変なので、とりあえず全部ヒューマノイドタイプにしました。主要人種を四種類にしました。
これは二色刷と言って黒と赤の印刷です。黒と赤のほかに赤と青がありました。今はあまり見ないのですが、当時は印刷が安いので結構二色刷がありました。オープニングがセリフが多いので、2ページ目はセリフを減らしました。2ページ目は宇宙大学の受験会場です。一人ずつカプセルに入って受験をしています。今考えると何も集まらなくてもと思うのですが(笑)会場の広い感じを出してみました。床の模様は最初はチェックにしようと思ったのですが、焦点を合わせていくとどうしても合わなくて、曲線にしてみました。
回答が終わると、カプセルからヘルメットをかぶって出て行かなくてはなりません。このヘルメットがすごくださいのですが、外から顔が見えないという設定なので、やむを得ずこの形にしました。窓から宇宙船を見て、あそこでテストを受けると言われます。窓から宇宙船までの距離は(いろいろ考えられていました)2km以内にします。」
内「先生は物語を全部ご自分で考えられるのですが、それは全部テキストに起こされるのですか?」
萩「はい。とりあえず思いつくものを全部出して、ストーリーを構成しながらこのネタの中から何が使えるか考えます。」
(文庫版p112とp114)
萩「太陽にどんどん近づいていった宇宙船の一部を爆発させ、それを推進力にして太陽から離し、船内の温度がどんどん下がっていってホッとしたシーンです。温度が上がっていく中で宇宙船の中で伝染病が蔓延してしまったのですが、ワクチンも出来たし、テストが終わるまで何も起こらないといいなという中で、フロルだけが発病してしまった。フロルは両性体といって、まだ男でも女でもなく、合格したら男になっても良いということになっています。男になりたかったのです。」
(文庫版p116)→タダとフロルが仲良くなるシーン
萩「でもまぁ彼氏が出来たから、女になってもいいかというシーンです(笑)。最後はどこのクラスにも一人多く入れていて、一人多いことでどう対応するかというのを見るテストだったんです。」
萩「この作品は前半の60枚を1週間位で描くことになってしまいました。とりあえず120枚というものの、ネームは最初に全部やってしまわないと、後のページがどうなるかわからなくなります。このネームに時間がかかってしまい、絵を入れるのに時間がなくなってしまいました。そこで、いろいろなところから助っ人を借りました。松本零士先生のアシスタントの方がいらして、「銀河鉄道999」のような背景が描かれたりしました。」
萩「ネームは吹き出しとコマを割ったものが出来上がっているというものです。ネームを起こすときには、決められた枚数にきちんとストーリーを収めなくてはなりません。ページをめくりますので、変なところで切れないようにしたり、読む人をびっくりさせたくて大きなコマをもってきたりと、いろいろと策略があります。ネームが完成した段階では、ページも決まっていて、一コマ一コマの構図も決まっています。」
萩「このページ(p116)ではタダがぼくと結婚しなよ、と言います。この次のコマではセリフは入れません。タダとフロルは対等に見つめ合います。この前までのコマはこの後のコマではクルっと視点が反転しています。そしてその後すっとフロルの目線が下がります。縦長の流れで目線がだんだん下がっていくと、読んでいて気持ちが良いと思うんです。」
内「「11人いる!」を描いて今思うことはありますか?」
萩「よく描かせていただいたなというのと、よく出来た話だなと思います。SFがすごく好きで、それを集大成して描いた若い頃の作品なので、ちょうどいい案配で出て来たなと思います。この後SFの世界はどんどんサイバーバンクとかパソコンの方にシフトしていってしまったので、今描いたら、もっと理屈っぽい話になってしまったかもしれない。若いうちに描いておいてよかったなと思います。この頃、少年マンガはSFが多く、手塚先生、石ノ森先生に刺激を受けました。1960年代~1970年代はどんどん新しい科学技術が発達していき、未来に期待をしていた時代でした」
3.「スター・レッド」について
(この文庫版の表紙のイラストの原画が登場)萩「レッド・星です。この人は火星人で、目を使っておらず、超感覚で物を見ている。普段は黒いコンタクトを入れて髪を染めています。」
内「この人物の発想はどこから?」
萩「編集さんが新連載が欲しいので3日以内に予告を入れて下さい、1週間後に原稿を入れて下さい、と言われました。とにかくタイトルとキャラクターを考えなくてはなりません。なんとなく、火星の物語にしようと思いました。タイトルですが普通火星のことはマースとかレッド・プラネットとか言うのですが、プラネットというのが語感が悪いので「スター」は本当は恒星なのですが、もういいやということでスター・レッドになりました。」
(文庫版p30~31)
萩「火星人は地球人の子孫ですが植民地状態になっています。これは火星と言いながらアジアのキャラバンのようです。主人公のセイは本当は火星人ですが、事情があって地球で暮らしています。これは小さい頃のセイの記憶です。「11人いる!」のときはページ数が限られていましたが、このときは何ページになるかわからなかったので、ページをとることが出来、大きく使いました。」
(文庫版p72~73)
萩「いつの間にか火星に近づいているというシーンです。地球にいて、いきなり火星に来ましたよと言っても読者はついてきてくれませんので、読者に火星を見せたのです。」
(文庫版p180~181)
萩「このお話は人類対何とかの対決にしようと思って描きました。火星人はみんな超能力者で、地下に住んでいます。これは未来を預言しています。」
(文庫版p250~251)
内「地球に戻ったぞというイメージですね。」
萩「右はセイの昔の暴走族仲間です。左は火星から地球へセイを追って来た火星人たちです。考えてみたら重力が火星の三倍なので、もっとよたよたしている筈なんですが、それではお話にならないので。」
(文庫版p348~349)
萩「宇宙人のエルグが火星で行方不明になってしまったので探しているのですが、エルグの東京のマンションのキッチンに宇宙空間への出入り口が出来ていて、その先でセイがエルグを見つけるというシーンです。」
萩「超能力は一時すごく凝りまして、夢の能力のように見えたのですが、この頃ではなまじ何でも出来るから難しくなってしまい、扱いにくくなっています。使う度に寿命が短くなるとか、頭が痛くなるとか、何かマイナス面がないとダメです。すいすい使われてしまうと、なんか勝手にやってるなという気分になってしまいます。着替えるのに電話ボックスがいるとか、何かハンディがないと。」
(文庫版p358~359)
萩「遠い惑星にみんなで行くことになりまして。ワーブシーンなので、みんなまっ白になって何も見えない中でセイとエルグだけが見つめ合っています。」
(文庫版p340~341)
萩「何か変なところにきちゃった。文明国なのに、文明があるように見えない、というのを意図して描きました。進化していけばいくほど、メカの部分というのは隠していくのではないかと思います。」
(文庫版p390~391)
萩「何か彼女を怒らせてしまい、その怒りで床をピシっと割れていくシーンです。描いていても気持ちいいです。」
(文庫版p402~403)
萩「これは愛の告白のシーンです。セリフが詩のように浮かんびました。二人がならんで見つめ合っています。背景は宇宙で出会ったので銀河系のようなイメージで描きました。」
(文庫版p424~425)
萩「火星もいずれはそうなると言われて、それを回避する方法はないか探るために滅びてしまった星へ行きます。人もいない、建造物もない。植物なのか建築物なのかわからない、クモの網の目をはったようなものが延々と続いている。堅くて直線的で役に立たないものという感じです。」
内「先生はたくさん資料を集めていらっしゃいますよね」
萩「集めてもなかなか見る時間がなくて、描く段階になって必要が出て見ます。一番いいのは、家具のコレクションがや虫のコレクションなど、頭の中にいろいろな引き出しを持っていることです。おもしろい形のものがあったら、これを覚えようと意識して、自己暗示をかけます。じっと見て、目をつぶって、まぶたの裏にその形が出来るようにというのを3回くらいやると、形を覚えます。」
(文庫版p440~441)
内「目の表情が非常にきついですね。」
萩「驚きと不安といろいろな感情が起きてパニックのようになっています。一番感情を現すのは目なんです。目を描くときはキャラクターと同じ気持ちで描くと、自然に表情に出るんです。」
(文庫版p488~489)
萩「さっきのページでいなくなったセイがどこか変な空間にいて、そこから過去と未来を見ることができます。惑星が壊れているのが見えます。目線が右から左に行くように描いています。横へ横へと目線を流すと時間経過が表現しやすいです。」
(文庫版p498~499)
萩「エルグが星になるシーンです。」
(文庫版p500~501)
萩「先にこの空間に来ていた火星人の仲間が火星で仮死状態になっています。この人の赤ちゃんになって再び生まれて来ます。」
※「11人いる!」「スターレッド」の質問コーナー
Q「「11人いる!」で実際の試験でも試験者に情報を知らせずに試験を行うというようなことがあるそうなんですが、そういうことを知っていて描いたのですか?」
A「それは知りませんでした。最近「宇宙兄弟」の中にもある人にはこの情報、ある人にはこの情報というようにして、試験を受けるというのがあって面白かったです。」
Q「「11人いる!」は構成が複雑だったので、描いている途中でやっぱりこのセリフを変えたいとかあるんでしょうか?」
A「このときは本当に120枚だったので、スケッチブックでどんなふうに展開するか描いていくのですが、ここのセリフまで何ページに入るとか、ページの指定までしてしまうのです。余分にセリフを考えているので削るばかりです。変えてもせいぜいコマの順番とか、セリフを1~2行足すとか、そのくらいです。描き終わってから、あそこをこうすればよかった、っていうのはこの作品に関してはありません。」
4.「マージナル」について
(文庫版p8~9)
萩「未来の女の人がいない世界で、一人の少年が砂漠をさまよっているシーンです。女性だけの世界という設定はSFではいくつかあるのですが、男だけの世界はなかなかないので描いてみたかった。イケメンがたくさん描けるし(笑)。女ばっかりだとうるさいですが、男ばっかりだと楽しそうだな、と。その社会がどうしてそうなったのかを考えることより、その社会はどんなふうに営まれているのか、その社会システムを考えるのがおもしろいだろうなと思って描いてみました。」
萩「未来の地球にマザという子供を産む女の人が1人だけいます。ミツバチの社会のようですね。みんなマザに子供をもらってるというシステムです。絵は中東の感じです。マザを暗殺しようと企んでいる一味がいます。というのも、マザが年をとってしまい、なかなか子供をくれない。今のマザを殺してしまえば、新しいマザが誕生するのではないか、と考えて殺しに行きます。」
(文庫版 1巻p164~165)
萩「この社会を裏で支配している科学者のグループというかカンパニーがあります。大きな病院がマザの住んでいる神殿の近くにあり、怪我をした子供がそこに連れて来られて、開腹手術を受けています。麻酔がかかっているので切れ切れの記憶ですが、そのとき言われたことを覚えていて、あの変な言葉はなんだろう?という話をしています。」
(文庫版 3巻p86~87)
萩「キラとそのお父さんのイワンなんですけど、このイワンがマッド・サイエンティストで、子供が生まれなくなった地球でなんとか子供をつくろうとして実験を繰り返しています。地球に密入国して奥さんの卵を使って子供をつくっています。」
内「未来社会の体外受精とかを予感されて描かれたのでしょうか?」
萩「わたし、人造人間がすごく好きなんです。遺伝子に手をつけたり、いろいろな部品をもってきて新人種をつくるとか、キメラ的なものにすごく興味があります。そうやってつくられた人間でない生き物は、人間の社会で生きていけるのか?と思います。フランケンシュタインはかわいそうでしょう?すごくきれいにつくられても、人造人間だったらどんな気持ちがするだろうかと考えます。フィリップ・K.ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」という作品の中にレプリカントという人造人間(サイボーグ)が出てきます。この作品は「ブレードランナー」という映画にもなりました。私はハリソン・フォードより追われる人造人間の気持ちになって考えてしまうのです。ロボットとは違う、もっと有機的なものです。」
萩「SFの小説世界が発展していって、生まれる前からどんな子供が欲しいか顔の造作や身長などの注文を聞いて、セットでつくって子供をあげるというSFまで出来ているくらいです。出産って神様の領域ではなかったのか?という気持ちもありますが、そうしたがる気持ちもわかるというのも一方であります。人間は進化の過程で人間になったのですが、その途中で別のものになり得たのではないか?ということに対するオマージュがあります。」
萩「イワンを逃れたキラは最初は記憶を失っていますが、だんだん取り戻してくるというシーンです。」
(文庫版 3巻p198~199)
萩「新しいマザが落ちるシーンです。これから後は落っこちて死ぬだけというシーンですが、それが一瞬でわかる人々の顔と落ちていくマザの顔です。」
(文庫版 3巻p258~259)
萩「都市の地下に水が流れていて、調整ミスによってその水があふれ出すシーンです。この二人がそれに巻き込まれるところですが、昨年の震災を思い出して少しイヤですね。」
(文庫版 3巻p296~297)
萩「キラが洪水に巻き込まれ、流されて海にたどり着きます。実際は魚や生物はみな死に絶えているのですが、キラの考える海はよみがえっているという場面です。」
5.「銀の三角」について
「銀の三角」は『SFマガジン』に載せた作品。『SFマガジン』はSF専門誌なので、面倒くさいことを描いてもみなさん読んで下さるかなと思って描きました。滅びた種族とその音楽を追いかけている人々のお話です。これは種族の最後の一人です。」
(文庫版p300~301)
萩「行き場を失った魂がどこに行くのかと考えたときに、真ん中に倒れている人がいますが、この人の中に吸いこまれていくというシーンです。」
ここで「A-A'」「X+Y」「1/4カトルカース」などSF作品のカラー原画をぽんぽんと見せてくれました。「トーマの心臓」の二色刷見開きもありました。
そして、紫綬褒章のお祝いをし、花束を受け取られていました。紫綬褒章伝達式での役所広司さんとの写真、そして菊の御紋の入ったお菓子とお菓子の大きさを見せるために玉姫様(猫)と一緒の写真が表示されました。
最後の質問コーナー
Q「マージナルはキラとアシジンとグリンジャの三角関係のお話だと思いますが、あのラストの後、三人はうまくやってるんでしょうか?なんだか心配になっちゃって。」
A「ちょっと考えてなかったです。キラがいなくなったら困るので、なんとなく三人はなかよく暮らしていると思います。「彼女と彼たち」という三角関係の映画のように。」
Q「メイヤードとナースタースの関係はどういう関係だったのでしょう?」
A「メイヤードが自分の病気を意識していない頃はナースタースと恋人同士だったんじゃないかと思います。でも、メイヤードは病気を知ってしまった段階で自分には未来がないと思ってナースタースをふったんだと思います。病気を理由にしたりせず、冷たくふったんだと思います。それで「コンチクショウ、全部奪い取ってやる」とナースタースは思ったんじゃないでしょうか。」
これで萩尾先生は退場されました。