グリム童話の「がちょう番の少女」を下敷きにしたミュージカル。
制作 | 西友子供向けミュージカル | |
公演日 | 1985年8月2日:東京・新宿厚生年金会館 8月5日:栃木・栃木会館 8月6日:長野・長野県民文化会館 8月8日:福島・郡山市民文化センター 8月13日:大阪・大阪厚生年金会館 8月14日:京都・京都会館 8月16,17,18日:東京・中野サンプラザホール 8月19日:埼玉・埼玉会館 8月21日:千葉・船橋市民文化ホール 8月23,24,25日:東京・新宿文化ホール | |
劇場 | 中野サンプラザ | |
原作・脚本 | 萩尾望都 | |
脚色・演出 | 小林裕 | |
音楽 | 久米大作,板倉文,近藤達郎 | |
振付 | 中川久美 | |
美術 | 岩井正弘 | |
照明 | 原田保 | |
音響 | 深川定次 | |
出演 |
小林聡美:こんどうゆういち 川島なお美:キュルトヘン 谷啓:ベビーマスター(ゆういちの亡き祖父) 藤堂陽子:ゆういちの母 黒木保仁:ゆういちの父 木村有里:ゆういちの祖母(魔女) 諏訪マリー:女神 上里あすか:こんどうくんちの赤ん坊 岸野幸正:ゆういちの担任(ラプンツェル) 田村勝彦:ポケ(ガイコツの王) 外山誠二:委員長(王子:竜) 神野美奈実:ケメコ(白雪姫) 西山水木:おかのみどり(シンデレラ) |
内容 | 45回転6曲入り(歌3曲) |
定価 | 1,500円 |
作詞 | 萩尾望都 |
作曲 | 久米大作,近藤達郎,板倉文 |
歌 | 小林聡美/川島なお美/ひばり児童合唱団。 |
曲目 | Side A 1. ねがいごとの歌 作詞:萩尾望都/歌:小林聡美,ひばり児童合唱団 2. いばらの花の森 3. ご主人様が世界で一番 Side B 1. 銀の谷をこえて作詞:萩尾望都,歌:川島なお美 2. パラダイス・パーティ 3. だっことねんね 作詞:萩尾望都,歌:ひばり児童合唱団 |
製作 | NHK |
放映日 | 1985年12月30日(1時間10分) |
小学5年のゆういちの母親は妊娠中だが、ゆういちがちよっとしたことから『生まれてこなければいい』と望んでしまったため、ゆういちの頭の中(ファンタジー空間)のベビーマスターから本当に赤ん坊がキャンセルされてしまったと聞き、後悔したゆういちが(ベビーマスターとともにいる)キュルトヘンの力を借りて、赤ん坊を取り戻し、キュルトヘンの帽子で赤ん坊が生まれるようにするまでの冒険ファンタジー。
公演の終了後に舞台あいさつで谷啓が「お客さんは子供ばかりだと思っていたら大人が多いので驚いた」と言っていたのを思い出します。おそらく萩尾ファンの女性と小林聡美(こんどうゆういち)、川島なお美(キュルトヘン)のファンで埋め尽くされていたからでしょう。小林聡美が主人公の男の子役でした。「ねがいごとの歌」はいい歌です。
このほか会場で売られていたパンフレットには絵本型のストーリーブックと萩尾先生のコメントが載っていました。
(Yahoo! Auctionで落札された方より)
キュルトヘンは、ゆういちと同時に生まれた分身・昨日までのゆういちの分身という設定です。最後に帽子を失うと死んでしまいます。冒険の途中で、現実世界の祖母や同級生たちがもう一つの役で出てくるので、役名が二つある登場人物が多くなっています。「ベビーマスター(ゆういちの亡き祖父)」と「ゆういちの祖母(魔女)」が比較的重要な存在です。
全出演者の衣装デザインにはかなり萩尾先生の意見が採り入れられているか、デザイン画も描いて渡されているのではないかなという感じです。キュルトヘンは青く光る布と透ける布のパンツルックに羽のついた帽子、さらに男の子の喋り方で、ピーターパンかパックかという雰囲気です。
小林聡美さんはこのときおいくつでしょう。短パンにズボンつりで見事に男の子です。
現実世界の人物と別世界の分身は「双子」ですね。ほかにもいろいろなモチーフがなんとなく舞台の「半神」とつながっている気がします。
ナレーションを入れてダイジェストして放送してあるせいか、説明も、考えたり感じたりする余韻もあまり無い感じで、「子供が十分わかったかしら」と心配してしまいました。
まいが(文)