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小説・戯曲・評論・エッセイ集・対談集
ピアリス
著者 | 萩尾望都 |
出版社 | 河出書房新社 |
刊行年月 | 2017.7.30 |
頁数 | 256p |
定価 | 1,566円 |
ISBN | 978-4-309-02595-7 |
目次
巻頭 | カラー7ページ | |
I | ユーロ シモン修道院 | 初出「The Sneaker Special」1994年春号 |
II | ピアリス 「9×7」 | 初出「The Sneaker Special」1994年夏号 |
III | ユーロ カルカーシュの予言者 | 初出「The Sneaker Special」1994年秋号 |
IV | ピアリス 青いリンゴの木 | 初出「The Sneaker Special」1995年冬号 |
巻末 | 特別企画 萩尾望都インタビュー | |
- 1994年に『The Sneaker Special』に「SF作家・木下司」掲の名前で執筆・発表された幻のSF小説がようやく単行本になりました。
- 巻末に「SF作家の木下さん、実は私でした」というインタビューが掲載されています。初単行本化にあたり、初めて公に「木下司」という作家が自分であることを認められました。扉カラー見開き2ページと挿絵多数が収録されていたので、長い間、本目録でも「単発のイラスト」のお仕事に収録していましたが、これを機会に「小説」の方にも収録します。
- 木下司というペンネームを使った理由は巻末のインタビューに書かれています。私はこの作品は絵の方で知って、ずっと以前から雑誌を手に入れていました。カラーが2ページと多数の挿絵があって、単行本にならないのが不思議でなりませんでした。萩尾先生の作品と思わなかったので、作品の方は読んでいませんでした。読んだら萩尾先生とわかったのか?というと自信がありません。そんなことをする理由が思いつきませんから。
- 惑星間戦争に巻き込まれ、難民として生きる少年と少女、ユーロとピアリス。二人は神官の家にうまれたふたごでした。ユーロは未来を、ピアリスは過去を視ることができます。ユーロの能力は「予言」のため、そこに気づいた最初の人間は良い人だったのですが、その後、利用しようとする者たちに見つかってしまいます。
- 萩尾先生らしく設定の難しいSF小説ですが、ライトノベルという範囲に入るのか、少女であるピアリスの気持ちの変化がとても繊細に描かれていて、そこがなんだか私はとても良かったのです。
- 共に難民という過酷な環境にいるユーロとピアリスですが、二人とも自分を救ってくれる大人には出会っています。それでもずっとはその庇護の元にはいられません。ユーロの方が「静」、ピアリスの方が「動」。それぞれに戦い、運命に立ち向かいます。
- 果たして二人は出会えるのでしょうか?なんと、この作品、未完なのです。続きが読みたいです。
美しの神の伝え
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