単行本

小説・戯曲・評論・エッセイ集・対談集

音楽の在りて

音楽の在りて

電子書店パピレス

著者萩尾望都
出版社イースト・プレス
刊行年月2011.4.22
頁数164p
定価1,785円
ISBN978-4-7816-0599-9

目次

Iヘルマロッド殺し初出「奇想天外」1978年4月号
子供の時間初出「奇想天外」1978年2月号
おもちゃ箱初出「奇想天外」1978年11月号
クレバス初出「奇想天外」1979年1月号
プロメテにて初出「奇想天外」1978年9月号
II音楽の在りて初出「奇想天外」1977年4月号
闇夜に声がする初出「奇想天外」1977年12月号
マンガ原人初出「奇想天外」1977年8月号
CMをどうぞ初出「奇想天外」1977年6月号
憑かれた男初出「ソワレ」1991年7月号
守人たち初出「奇想天外」1977年10月号
III美しの神の伝え初出「奇想天外」1979年3月号~1980年2月号
special左利きのイザン初出「SFファンタジア 4 幻想編」
1977年~80年に『奇想天外』に掲載された短編小説群が2011年になって単行本になりました。
ヘルマロッド殺し
左ききのイザンはこの物語の後日談になるのですが、発表はほぼ同時でした。
子供の時間
宇宙船の中に取り残された子供、というモチーフは「スターレッド」に登場します。もっとも星(セイ)は両親にとばされて来るのですが。
おもちゃ箱
政府公認のエスパーは「スターレッド」に登場します。エシュやフィドラー(子供の時間)の風貌はなんとなく似ているような気がします。痩せていて、孤独そうな感じがします。
クレバス
こちらでも子供が主人公です。時間が元に戻るのは「金曜の夜の集会」へ発展していったように思えます。親しい人が突然違う人に入れ替わってしまうエピソードはブラッドベリの「ぼくの地下室へおいで」にありました。
プロメテにて
ここに登場する宇宙人はまさに「銀の三角」のブール博士のようです。砂漠の中で一人古代遺跡の発掘を続ける博士の姿が重なります。
音楽の在りて
古代の遺跡に音楽がある、というモチーフは「銀の三角」に登場します。
闇夜に声がする
漫画家の産みの苦しみや、編集と漫画家の関係などがじっくり描かれています。
マンガ原人
実際に先生が少女時代に感じたマンガへの情熱と無理解がそのまま反映されているような作品です。
CMをどうぞ
当たり前のように日々聞いているCMのおかしさを感じ取り、「CMってどうしてこうなのかしら?」と思われたのかもしれません。常套句って、無感覚になりますからね。さすがに鋭いなと思います。
憑かれた男
この作品は本当に知っている人は少なかったのではないかと思います。「奇想天外」以外の大人向けの小説作品はこれと「クリシュナの季節」くらいしか残ってないので。雑誌掲載時のイラストがそのまま採用されています。
守人達
奈良薬師寺の仏様がたくさん出てきます。薬師寺には「百億の昼と千億の夜」に出てくる毘沙門天立像などがあります。取材で訪れて、構想を練られたのでしょうか。
美しの神の伝え
左利きのイザン
漫画作品です。「ヘルマロッド殺し」の後日談。詳細はこちら

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