作品目録

十日月の夜

ゲバラ・シリーズ

原作
田中アコ
初出誌
「月刊アフタヌーン」2010年10月号(2010.10.1) 36p
登場人物
須々木秀一郎
須々木美夜香:秀一郎の妻。
ゲバラ:化猫。
シマ吉:化猫。先代から引き継いだ屋台を営む。
高野白湯子:ゲバラの正体を知っている人間。
あらすじ
十日月の夜、秀一郎は「病院に行かなくては」と自分に言い聞かせるが、その前に酒を飲んで勢いをつけることにする。穴守神社前で屋台を見つけ、そこに入ると、マタタビ酒という酒を出される。ビールはないらしい。とりあえず、2杯ほど飲んで出ると、ちょうどいい酔い加減で病院に行くことが出来そうだ。
ところが、道に迷ったのか、ぐるぐると同じ場所をさまよっている。さっき寄った屋台で一緒だった客・ゲバラに道案内され、中央道りに出ることができた。歩いているうちに酔いが覚めてしまったので、コンビニでまた酒を買おうとする。するとゲバラがツマミも買わせる。
穴守神社の境内で二人で酒盛りを始める。秀一郎はゲバラに語り始める。自分は今まさに病院で妻が初めての子を産もうとしているところだから、すぐにでも行かなくてはならない。子供が生まれるのを楽しみにしていたのに、なぜか怖くなって行けなくなってしまった、という。須々木はなぜ病院に行けないのか…?。
コメント
ゲバラ・シリーズ第3弾。これまでのものに比べるとこじんまりとした作品です。化け猫らしいお話と言ってもよいでしょう。十日月は満月の少し前の月。この作品での月はぼんやりとした月で、こんな夜は猫にでも化かされそうな雰囲気があります。
須々木さんは子供の頃に猫にしたことがトラウマになっていたようですが、実はゲバラに会うまでは憶えていなかったわけです。人としてちゃんと生きていける自信がないから子供が怖いとか言ってるのでしょう。彼がなぜそんなに自信がないかというと、それは親の言うとおりにしていたからじゃないでしょうか?奥さんだけは自分で選んだので、だから人間に戻れたという気がします。
さて、このシリーズ、一冊にまとまりそうです。ゲバラはシリーズ化すると最初に言っていて、半信半疑でしたが、まとまってよかった。この続きは果たして出るのでしょうか…?

2010.8.26

収録書籍
菱川さんと猫

菱川さんと猫 アフタヌーンコミックス 講談社 2010.9.22

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