作品目録

偽王

 

初出誌
「プチフラワー」1984年9月号(1984.9.1) p105~154(50p)
登場人物
若者:ヴァルファルーから旅をしている
贖罪者:神に捧げられた者
沐浴する人々:若者に贖罪者のことを聞かせる
あらすじ
神殿で沐浴している人々が贖罪者のことを噂している。ヌー川の支流づたいに旅して来た若者は彼らから贖罪者のことを聞く。それは「罪を贖う生贄として」神に捧げられた者で、額に印を押され、目を打たれ、去勢され、放浪している者のことだ。人々は忌み嫌いながらも、神に捧げられたという理由で殺すようなことはしない。
若者は幼い頃体験した「わざわい」が忘れられず、美しく平和な母国ヴァル・ファルーに恋人を残して、1年近く旅をしている。そして贖罪者に出会い、旅の連れとなるのだが‥。
コメント
そのまま古代神話にあるような美しい物語です。萩尾先生の短編には傑作が多数ありますが、この作品もその神話性の高さや不滅の物語とも言える内容で、秀逸な作品の一つです。
物語の中で若者が語るように、王と若者はどちらかが死ななくてはならない運命だったのでしょうね。

2011.10.28

収録書籍
萩尾望都作品集・第二期 第8巻 訪問者

萩尾望都作品集・第2期 8 訪問者 小学館 1985.5

半神


半神 小学館文庫(新版) 1996.9

萩尾望都パーフェクトセレクション 9 半神

Perfect Selection 9 半神 小学館 2008.3.2

コメント
若者と贖罪者、この二人にピントをあわせて読みすすむうちに、その背景に「美しいヴァル・ファルー」が浮かび上がってきます。浮かび上がってくるとさらに、この二人の姿が鮮明になってきます。
若者は「わざわい」のことばかり考えるので、まるで「苦しい恋」のようだと形容しますが、これは哀しく恐ろしい錯覚です。
ヴァル・ファルーというのは美しい名前ですね。作者は発音しながら考えたのでしょうか。

文:まいが

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