作品目録

ハワードさんの新聞広告

 

原作
イケダイクミ
初出誌
「別冊少女コミック」1974年3月号(1974.3.1) p337~367(31p)
登場人物
ハワード:大金持ち
ジル:飛ぶ子供
パルメラ伯爵夫人
プリムラ伯爵令嬢
オペラ歌手
あらすじ
ハワードさんは大金持ちで、金にあかせて何でももっている。飛ぶ小さな子供ジルを手に入れたので、自慢したくてしょうがない。パルメラ伯爵婦人とプリムラ伯爵令嬢を招待して見せびらかすことにした。
ところが、ジルはこ汚くてしかも飛ぶことをいやがり、伯爵令嬢をがっかりさせてしまう。ハワードさんのお抱えのオペラ歌手がいくら説得してもダメ。ついに、ハワードさんはカンカンに怒り、ジルを一生閉じ込めてこき使うという。
『アンタなんか、大嫌い。ただの子供はみんな飛ぶんだ』と泣くジルに、オペラ歌手は自分をみつけ、ハワードさんは大切なことを思い出す。ハワードさんは、素敵なバースデー・パーティを思いつき新聞広告を出すが‥。
コメント
大泉サロンのメンバーであったイケダイクミさんの原作。「温室」もそうです。イケダイクミさんは「プチフラワー」1999年9月号にお亡くなりになったことが書かれていましたが、それ以外私は一切詳細を存じません。しかし、こうやってお名前がずっと残っていくのでしょうね。
こどもの頃の大切な気持ちをうしなってしまったおとなのお話です。
収録書籍
精霊狩り―傑作短編集

精霊狩り―傑作短編集 小学館文庫 713 1976.12

萩尾望都作品集 第10巻 キャベツ畑の遺産相続人

萩尾望都作品集 10 キャベツ畑の遺産相続人 小学館 1977.7

モザイク・ラセン

モザイク・ラセン 秋田書店 1994.5

この娘うります!

この娘うります! 白泉社文庫 1996.9

投稿
SFタッチのヒューマン・コメディです。おもしろおかしい中にも、萩尾望都先生は、ぴりっとアイロニーをきかせています。
子供の日の思いを、大人は忘れてしまいます。ただ、楽しかった思い出は、心の奥に残っています。ハワードさんにも、オペラ歌手にもそれぞれの思い出があり、同じ思い出ではありません。
どこまでが子供で、どこからが大人なんでしょう。『どこにいるのか友だち、かくれてないで出ておいで』ひとはさびしいとき思い出す。マンガの中に出てくるこの言葉が、語っています。この言葉を思うとき、ひとは大人になっているのだと。

1998.12.25 長谷部さん

入手しやすい本作品収録の単行本 モザイク・ラセン(秋田文庫)

モザイク・ラセン(秋田文庫) 秋田書店 1998.12.10

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